第5回 古い写真機での写真展が
カメラサービス佐賀さんの仕掛けで開催されている。
○日時--- 5月26日(月)〜6月1日(日) 9時〜17時まで
(最終日15時まで)
○場所--- 佐賀駅北口 九州電力イリスギャラリー
30数名の“手練れ”によるカラー、モノクロプリントが60点程展示されている。力作揃いである。
掲示の位置がもう少し低くても良かったのではないか?
と歳のせいか感じる。
時計回りに
オリンパスペンF、ハーフサイズの一眼レフ。リコー・Super44
リコーフレックス、オリンパスペン、ライカ?F?。
SCCの常連さんが持って来てくれた懐かしい駄菓子と共に。
ペンFは女優の緒川たまきが一時使用していたカメラである。
ペン同様ハーフサイズ。24枚撮りのフィルで48枚以上撮れ、横位置で構えても縦位置フレーミングになる。
中央の箱型2台は2眼レフカメラ。
上のレンズでピントを合わせて下のレンズで撮影を行う。
どちらも1950年代のカメラである。
Super44は4×4cmの、フレックスは6×6cmのフィルムを使用。
上から覗き込む画像は確か左右逆になっていたと思う。
若い女性と古いカメラ
「畳と〜は新しい方が〜」等と言う連想を喚起する心算はない。
ただ、この絵を見る限り、若い女性はモノの新旧に関係なく容易にソレと同化するように思える。
よくよく考えればそれも当然である。未知のモノは新しいのだ。
親の世代よりも古いカメラを、ウエストレベルで構える様の決まりようはどうだ。
彼女のようにウエストレベル(腰位置でカメラを保持する)に構え、首に掛けたストラップにテンションがかかるように、ぐっとカメラを下に押し下げるようにして撮影すれば、ブレはずっと少なくなる。
撮られる方も、このように撮影者の笑顔の全体が見えるのは安心なはず。コミュニケーションがとり易いスタンスと言える。
現代使われているロールフィルムの原型が登場したのは1888年。
1985年にはミノルタα-7000 が発売された。
α-7000 はオートフォーカスという画期的な機構を備えていた。
この時点で、フィルムカメラは大方の機能を備えたと思う。
動体予測・視線入力オートフォーカス、防塵・防滴構造、手振れ補正レンズ等は便利・安全・有効な機能構造でではあったが、“枝葉の詰め”であったように思う。
ボディの素材が、成型容易と思える樹脂から、金属に変えられた「質感を重視する」傾向に至ってそれは尚更の感がある。
根幹の進化は止まったのだ。
出展された作品は1985年以前のカメラで撮られたものだ。
フィルムを巻き上げて、光を読み、構図を決め、ピントを合わせて
シャッターを押す。
作品を見ていると、撮影者が行った“儀式”とシャッター音で完結する恍惚を想像できる。
畳と靴下がどうであれ、カメラは古くても、旧くてもいい。
時を写し留める行為としての撮影は、踏まえられた手順により感動を焼き付け、見る者には撮影の背景を想像させ感動を齎すものではないかと、傲慢であるが思うようになった。
デジタル派にも当然独自の技法による作品製作が可能だが
フィルムに拠る物との優劣を論ずる立場にない。
沢山撮って初めて、絞りとシャッタースピードによる写真の変化が分かり、即座に対応できていることは間違いない。
「下手な鉄砲も数撃ちゃ、どれか当たっている」
デジタルにお世話になっている。
デジタルとフィルム。
便利を楽しむか、儀式を愉しむかの何れかではないか。
フューエルポンプを数秒回し、スロットルを3回ほどあおり、イグニッションキーをひねりエンジンをかける。
密かな愉しみである。
夜の山麓、屋根を開け放てば仄かに蜜柑の花の香り。
今夜も長らくおつきあい下さり有難うございます
<ゆっつら〜と館 T>
参考資料
オリンパスペンF、オリンパスペン
リコー・Super44
リコーフレックス
カメラの歴史
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