2008年11月11日

先月の半ば頃、四国の吉野川でボタンウキクサが大発生しているとニュースが伝えていた。規模、被害額などをサッとメモしたが、他の件を又サット上書き?して “行き方知れず” に陥っている。
「巧遅は拙速に如かず」と、しばしばやり過ごしては来たが、拙速が致命傷に至るのを自覚は薄いが何度も経験してる。

被害・その他の状況、ボタンウキクサに関する資料を「関連資料」としてリンクするので詳細はそれで確認して頂きたい。

同様の事態が佐賀県佐賀市でも1999年に発生している。
場所は鍋島町八戸(やえ)。


発生地周辺の地図
pointA minami .jpg
ポイントA(左の住宅地から狭い農道に架かる橋)から南方を望む。

除去作業が行われる前に撮影したと記憶している。
まだ稲刈りが済んでいない所もある。遠方にビルも見えるが圃場整備もなされていない佐賀ならではのたんぼと掘りである。
あぜ道の幅は60cm位だろう。
ボタンウキクサがびっしりと繁茂している。
アレロパシー作用もあるのだろうか。群落?の様相だ。
ウォーターレタス(Water Lettus)の英名を持つが、厚ぼったく、食感などを言うような代物ではない。

掘りの大きさは、手前、幅20m、約350m先で幅約10m。


kujyo .jpg
ポイントAから 除去作業の様子
船外機付の小船はブイが付いたロープで結ばれており、熊手状のものでかき集めて来る。
重機が使えないので他に方法がないだろう。


pointA .jpg
ポイントAから 
回収チームがロープに絡めて引っ張って来たものをパワーショベルで掬い、トラックに積んでいる。
画面奥は住宅地だが、手前は軽トラックがようやく通れる位の農道に繋がるこれまた狭い橋。


pointA kita .jpg
ポイントAから 北方を望む
幅10m、100m先でT字状に分岐している。
ポツンとある濃い緑色はホテイアオイ。


pointoC .jpg
ポイントC(上の画像の奥より左手に伸びた掘りの西端)から ポイントA方面を望む
島状に農地・宅地が入組んでいるので幅は明記しずらい。冒頭の“発生地周辺の地図”で確認して頂ければと思う。
このすぐ後ろは僅か8km足らずで有明海につながる本庄江川。
絨毯を敷き詰めたように繁茂したボタンウキクサ。バシリスクならずとも、ある種の修行を積めば、この上を走れるかも知れない。

冗談はさて置き、と言うか、捨置き、光合成も不可能になり、水中の酸素も欠乏する。腐る過程でも酸素が消費されるだろう。
“水に流す”わけにも行かん!


pointB1 .jpg
ポイントB(Aから約140先で右手に伸びる掘りの西端)
幅10m、約140m。手前に見えるのは本庄江川への排水堰。


pointB2 .jpg
こんな小さな水路にまで

IMGP01621.jpg
現在の様子 2008年11月2日撮影
収穫を終えた田んぼが安堵の溜息をついている。
川面の波は深まる秋を知らせる。
佐賀の風景だ。


IMGP01631.jpg
佐賀市はボタンウキクサの種子の発芽による再発生を考慮し、念入りに除去作業を行ったと思われる。ホテイアオイも見当たらない。

かつてこの掘りには鯉・鮒が沢山いた。産卵時期の早朝には、〜の饗宴を終えてグッタリ?とした姿も見られた。
多布施川から大半を取水していることもあり、上流にある少年刑務所辺りまで鯉の溯上があった。
安部譲司原作であったか、「塀の外で待つ女」主演は大原麗子。
刑務所の前でロケが行われたのは、1988年だったか?
思いの外小柄な、美しい人だった。




冒頭、「巧遅は拙速に如かず」など釈明じみたが、「拙遅」も使い分けている。
実は「移入主種の脅威1」をアップした頃にシリーズとしてボタンウキクサを取り上げる予定が内心あり、佐賀市が除去に際してどれ位の経費を必要としたか問い合わせを行っていた。
返答を下さったTさんには、
遅くなったことを大いに詫びねばならない。




佐賀市からの回答

平成11年度に佐賀市が実施した「ボタンウキクサ除去作業」について、下記のとおり回答いたします。

平成11年10月に、鍋島町八戸一帯のクリークでボタンウキクサの大発生が確認されました。
ボタンウキクサは熱帯魚の水槽の水草等に利用されますが、その一部がクリークに廃棄され、異常繁殖したものとみられました。
放置しておくと水路を詰まらせ、水面全体を覆って光をさえぎり、他の水草や生きものの生育・生息を阻害する恐れがありましたので、佐賀市は緊急に除去作業の実施を決定しました。

平成11年10月15日、除去作業を開始しました。主にパワーショベルを使いましたが、道路が狭く重機を入れることができない場所は、職員が船で近づいて集めました。除去したボタンウキクサは、嘉瀬の最終処分場に運んで埋め立てています。
作業は11月までかかり、除去経費は2800万円に上りました。
種ができる時期(冬季)に入る前に徹底的に除去したため、作業終了後、今日にいたるまで、市内ではボタンウキクサの発生は報告されておりません。
現在、佐賀市役所ではホテイアオイの除去作業を継続して実施し、水路の環境保全に努めております。佐賀市の豊かな自然環境を次の世代に引き継いでいくため、市民の皆さまには、今後とも外来種問題に関する理解を深めていただき、適切な取り扱いをお願いしていきたいと考えております。




誠実かつ迅速に返答を頂いた。外来種のもたらす被害に対して市民への訴えもある。
大発生を伝えたのは、ヘラ釣り師 I・Wさんだった。
彼が地元紙に一報したことが、他紙の報道も伴い駆除を実現したと言ってよいかも知れない。生活者が自らの環境に目を向け続けることが、返答にあるように「佐賀市の豊かな自然環境を次の世代に引き継いでいくために・・・。」必要ではないかと思われる。
「芽を摘む」は決して良いことばかりには用いられないが、「目を瞑る」のは好ましくはないだろう。

報道間もなく、鍋島公民館玄関には、水槽に入れられたボタンウキクサと大発生を示す写真を貼ったパネルが展示された。



今夜も長らくお付き合い下さり有難うございます。

<ゆっつら〜と館 T>



関連資料

大阪市立自然史博物館  淀川河川事務所
旧吉野川河口堰管理所
佐賀県の移入規制種
佐賀県移入種(外来種)駆除活動等補助金
アレロパシー


posted by スタッフ at 01:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 生き物・環境

2008年11月09日

アクセス解析をしたら、タイトルのような検索ワードがあった。
検索ロボットが当館のブログを紹介してくれたわけなのだが・・・。
そんな記事、なかなかないだろ〜。
ロボット君、強引なのか困り果てたのか・・・。

何処の、どのような年齢の方のアクセスなのか非常に興味深い。
インターネットの面白い所だ。
小学生の男の子だろうか?などと想像している。
であれば、応えねばなるまい。


さて、佐賀県佐賀市西与賀町といってもかなり広い。

周辺の地図

地図にある川は、本庄江川。昭和40年頃まで、舟と板を組み合わせた“渡し”があったそうです。戦国時代には、バルーン大会が開催される嘉瀬川の本流だったともいわれています。
上流3km位のところにある深町水門まで2m前後の潮の満ち干の影響があります。ですから、実際に釣る場合は有明海のタイドグラフ(潮時表)を見て出かける方がいい。
大潮の時はゴミが多くて釣りにならないかも知れません。
近くに住んでいるのなら、チャリンコで下見をするのが賢明。

おなかが空いたら、高橋でモチを買うのもいいでしょう。
高橋は明治時代まで 「一(市)は高橋、二(荷)は牛津」と唄われ、本庄江の終点の船着場として大いに賑わったそうです。
船の帆柱が当たらないように、橋げたを高く持ち上げた橋が作られ、それが地名ともなったようです。
再現された橋が今はあります。
この橋は「長崎街道」にあります。川の東方に「六座町」。
銀座・金座?などと同様、六つの職業の人たちがすんでいた町だそうです。

釣りから大いに逸れてしまいました。
先ず“鯉を手にする”ことを考えればこの川をお勧めしますが、“釣りをする楽しさ”を選ぶなら、川の東にあるクリークだと思います。
またわき道に逸れますが、先日「掘り」と「クリーク」は違うとおっしゃる方にお目にかかりました。
佐賀でいう「掘り」(ホイ)は「クリーク」とは違うような気がします。
圃場整備に伴い、直線化・画一化されたそれは文字とおり
「チャネル」(チャンネル)=「連絡水路」と呼ぶのが相応しいかも知れません。
西与賀にある大半は「チャネル」です。鯉釣りの経験が豊富であれば分かるかと思いますが、非常にポイントが絞りにくいのです。
それにこれから水温が下がって来て、回遊範囲も狭くなり“たまたま”が期待できなくなります。近くに住んでいるのだったら、来年の春に備えて「掘り」らしい場所を探しておくのがいいと思います。

鯉は間違いなくいます。佐賀大学構内の川には春から初秋にかけて沢山上ってきます。その川が何処につながっているか調べておくのも「賢いアプローチ」です。

最後に、どうしても釣った鯉を池で飼いたいと思っているのでしたら、八田江川の鯉は先ず真水では飼えません。塩分濃度の関係です。浸透圧・モル濃度などを調べて見てください。
体内に真水がどんどん入って来て、死んでしまいます。
方法がないわけではないのですが・・・。
蓮池公園・本庄江川のは大丈夫です。

佐賀市中心市街地の川に春から夏にかけてやって来る鯉の大部分は八田江川と蓮池公園そばを流れる佐賀江川のものと思います。
少しずつ少しずつ、体を慣らしながら産卵にやってくるのでしょうね。
やっとたどり着いたのに、川が汚くて可哀想な気がします。

松原川にも80尾ほどの鯉がいます。
水深が50cm位しかないここで、越冬するのは大変だと思います。
気温低下の影響をまともに受けてしまうのです。
せめて、80cmの水深がどこかにあればいいのですが・・・。
最下流の派出所のそばで、枯葉、コンビニ袋などの陰でじっと耐える厳しい季節が彼らにやって来ます。



急に書き出したものだから、写真もありません。
怠惰にブログに今夜もおつきあい下さり有り難うございます。



<ゆっつら〜と館 T>

 



参考資料


深川 保 著  佐賀市建築部管理課発行 佐賀市の川と橋
posted by スタッフ at 01:04 | Comment(2) | TrackBack(0) | 生き物・環境

2008年09月11日

hasuda1.JPG
乾田となったハス田 2005年11月27日 白石町 農家見学


前ブログにて明確に記述し得なかった西堀のハスの推移、
南掘のハス再生について佐賀土木事務所 街路公園課より回答を得た。

オータニ南のハスについて。
H6〜H8浚渫と合わせて、島状に3箇所ハスを植栽しました。
5年程は栄え、島同士がくっつく程でしたが、その後H17までに全滅しておりました。

加害動物の駆除で自然再生が可能かについて。
佐賀城公園再生プロジェクトにおいて、不可能と判断されており、再生には、植付け等が必要です。
ハスの再生について、公園管理者のみでの復元は考えておりません。
(協働での復元について、今後検討調整を予定しています)





加害動物をアカミミガメとして、その駆除はまず網によるものが思い浮かぶが、カメが泥中に潜り込む、或いは網が障害物に引っかかる等の事態を考えると効果は薄い。

堀の水を抜いてしまうのも問題が多く、現実的な再生手段としては、何らかの囲いを設けそこにハスを植えつけるのが妥当と見られているようだ。

協働での復元とは、行政と地域住民を始めとした民間の協力を意味するだろう。

前編では「失った〜」という観点からのみ記述した恐れがある。この度の回答により、近隣の居住者からは「蚊の発生」への対策を求められていたことを知った。
当時を思い返せば、堀の岸から5m以内にはハスはなかった。要望に応えて、刈り取られていたのだ。

80年配の人は、「ここのレンコンを掘っていたのを覚えている〜」と言う。
佐賀城及びその周辺に詳しい在野の研究者K氏からは「お堀は、城を守る防御、侵入者が身を隠せる植物の生育・繁茂を防ぐため舟を出してヤー(佐賀弁で浮き草類)を駆除していた」との話を聞いた。

復元と復原。復元にしても、どこに復元ポイントを求めるのか。
パソコンならば、数回のクリックで果たせるのだが。

hasuda2.JPG
カモの食害対策として、この時期のハス田は水が抜かれ網が張られる.

新芽が出る時期とカモの越冬期間が重なるのか。
ジャンボタニシの侵入も危惧されている。




<ゆっつら〜と館 T>




参考資料


カモ以外の鳥、カラス、ムクドリ、ハト対策の記述も有



シリーズ

蓮が全滅 佐賀城のお堀 移入種の脅威 Mアカミミガメ 1
移入種の脅威 ボタンウキクサ 
posted by スタッフ at 02:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 生き物・環境

2008年08月29日

minamibori.JPG
これは南堀の写真だ、西堀も同様である。
蓮が一本も見当たらない。数年前からこの状態らしい。
「蓮の花が咲く頃の朝の散歩が楽しみだった、散策にもってこいの場所だっただけに残念です。」と通りがかりの老夫婦は話してくれた。

旺盛に繁茂した蓮の下を「ガァーガァー」と鳴き交わしながらカルガモは泳ぎ、「ツィー」と一声発しカワセミは翡翠の軌跡を描いた。
足元の水面に目を凝らすと、ぶつぶつと湧き出すようにして現れた1cm程の稚魚の群れの下にライギョの親が姿を見せた。
冬、立ち枯れた蓮の堀にはカルガモ、マガモ、ハシビロガモ、オナガガモ、コガモ、ヒドリガモ、オオバン、クイナ、或る時はキンクロハジロなど沢山の水鳥が訪れた。

*西堀では曖昧な記憶だが10年程前に、人為的に蓮は排除され一部だけが残されたと思う
南堀のもう一方(東側)は、また曖昧だが相当前から蓮はない。
ヘラブナ釣りを楽しむ人の姿を沢山見かけた。
蛇足だが、ここで110cmを超える草魚が近所の人によって釣られている。飼育した経験で言うと、相当量の植物を食う。90cm位のもので体重は10kgを超えるだろう。


midorigame.jpgakamimigame.jpg
蓮を全滅させた犯人と目されている亀、ミシシッピアカミミガメ
左は体長3cm程、ゼニガメとして売られている子ガメ。
左は20cm位になった成体。これもマウンティングと言うのだろうか?

ここには色々な大きさのカメがいるので、水槽で飼えなくなった為に放棄された個体ばかりではなく、この堀から流出する数本の細流で生まれ育った個体の存在も考えられる。
自宅付近のクリークでも沢山のアカミミガメを見るが、細流を遡るのを見たことはない。
在来種のクサガメは春から夏にかけて産卵の為か細流に入る。麦の収穫時期にコンバインで踏みそうになることもしばしばである。


buru-giru.JPGkoi.JPG
PLフィルターを着けずに撮影したため水面の乱反射光ではっきりしない写真だが、左は小さいのがブルーギル。少し大きいのはブラックバス。どちらも固有の生態系を崩壊させるインベーダーである。
好ましくない事態が人知れず進行、蔓延するのを「水面下で〜」と言い表すが正しくそのとおりだ。

右の写真はご存知の鯉だ。清流をイメージする向きもあるかも知れないが、実際はそうではない。雑食性であることはじめ、相当な適応力を持っている。在来種、もしくはそれに準じる魚とはいえ無闇な放流は、水質の浄化に大きな役割を果たすシジミ、カワニナ、タニシ、カラスガイなどの減少を招く。
80尾ほど鯉が放流されている松原川に貝類はいない。貝の体内に産卵するタナゴに同情する。4尾放流されている草魚に、あって然るべきのカナダモなどを食い尽くされ、これまた産卵場所を奪われたトンボにも同情を禁じ得ない。

里山に降りてくるサル、クマ、イノシシの獣害にどう対処するかが急務とされているが、都市部でのワイルドライフマネジメントも忘れられてはならないだろう。

久しぶりに佐賀城のお堀を見て、蓮が全滅していることに驚いた。
水質も悪化しているように思う。
蓮などの抽水植物も土壌に堆積した動植物の死骸、生活排水中の有機物等を取り込むことで水質の悪化を防ぐ働きを持っている。


arimasennsei.JPG
佐賀大学農学部 有馬教授 
教授は県などの依頼により蓮の全滅とアカミミガメの食害の関係を調査・研究されている。箱に沢山のカメが飼われていた。

新聞は、「3年まえに発生した鯉ヘルペスによる鯉の大量死、その死骸を餌にしてアカミミガメが大発生した為に蓮の若芽が食い尽くされたのではないか、アカミミガメは、成長に伴い草食性になる傾向があるようだ。」と報じている。


kusagame のコピー1.jpgsuppon.JPG
日本のカメ
左はクサガメ。是非とも生き物の名前は、漢字を添えて欲しい。
彼の場合は「草〜」ではなく、臭い亀だから「クサガメ」らしい。
有難い名前ではないのだが〜。

右はスッポン。彼の名前はカタカナで結構!最近増えたような気がする。従来はなかったことだが、細流にも入って来るようになった。
餌ともなるこれまた外来迷惑種のジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)を追ってきたと推測している。
ジャンボタニシは幹線クリークでは恐らく鯉に食われ、鯉が侵入できない細流で大量に発生しているのではないか。このような別の食物連鎖があるのではと思う。

イシガメも以前はいたが、最近目にしない。
クサガメの特徴は甲羅にある3本のキール。(盛り上がり、船の構造にもあるかと。キールロワイヤルとの関連は未知)

スッポンは自宅前の細流で採集。
素麺ほどの草を簡単に噛み切る。手掴みする場合は注意が必要。





意味不明語句と漢字の多用について


今回は幾つかの事柄について、説明する筆力不足もあり文中の青文字によりリンクを張りました。
しかし、検索エンジンにgoogleをお使いの方ならば、当方で張ったリンクでなくても意味不明語句を反転させ、右クリックにより現れるプルダウンリスト中の「〜を検索」をクリックすることで説明に該当するページを閲覧することが出来ます。
マウンティングなどは随意ご確認下されば幸いです。

<ゆっつら〜と館 T>がアップするブログは決まって長く、怠惰ではありますが今後とも宜しくお付き合い下さい。
尚、無用に漢字を用いますのは、文字数を減ずる為です。
すぐに、リミットの10000字を超えてしまうのです。
何某かのカウンターがあれば良いのですが。


今夜も長らくおつきあい下さり、有難うございます。





<ゆっつら〜と館 T>



シリーズ

蓮が全滅 佐賀城のお堀 移入種の脅威 Mアカミミガメ 2
移入種の脅威 ボタンウキクサ
posted by スタッフ at 13:26 | Comment(2) | TrackBack(0) | 生き物・環境

2008年06月06日

カササギ(鵲)の雛が今年も巣立った。
カチガラスと呼ばれ、県鳥(昭和40年)にも定められて親しみのある鳥だが、松原川周辺では滅多に見られなくなった。

ハシボソガラス(嘴細烏)、ムクドリ(椋鳥)、コサギ(小鷺)、キジバト(雉鳩)、ヒヨドリ(鵯)、キセキレイ(黄鶺鴒)
警戒心が強いはずだった大型のアオサギ(青鷺)までが“都市鳥”化する中、最も身近だったスズメ、ツバメ等とともにカチガラスが見られなくなったのは、都市のスプロール化と無縁ではないかも知れない。

志津田藤四郎著:「佐賀の方言」には

鳴き声が「カチカチ」と聞こえることからこの名前になった。
漢字を当てると「勝烏」。
鍋島直茂が朝鮮から持ち帰った鳥だという伝説がある。
この鳥が味方の軍陣でカチカチと鳴いたので大勝したといわれる。
佐賀郡の北・中・西部では「キタガラス」南部では「キシャガラス」と呼ばれる。
巣を高く作れば雨年、低く作れば風年であると信じられている。

との記述がある。巣作りの位置と気象の関係は聞いたことがあるが、地域による呼称の違いがあることを実感したことは無い。
棲息域については、宮崎・沖縄以外でこの鳥を見たことがある。


佐大、佐賀鉄工所などがシンボル・社章にカチガラスを使用している。
佐賀市文化会館の「マグパイクラブ」のそれもカチガラスを図案化したもののようだ。英名の KOREAN MAGPIE を元にした名称と思われる。学名(ラテン語)は「 Pica Pica Japonica 」。

katigarasu1.jpg
巣立ち後間もない雛 大きさは、ヒヨドリ位しかない 

くちばしの肉片状のものがなんとも可愛らしい。
眼差しが不安そう。


nest.jpg
生まれはここ 電柱の下は巣材の枯れ枝などが散乱する 
人が片付ける 彼らが持ってくるの繰り返し

ようやく巣が完成する頃、カラスがチェックに巡回を始める。
カチガラスは集団的自衛意識が強いようで、夫婦がカラスを追い払いながら、カチカチと鳴きつのると何処からともなく沢山の“シロクロ義勇軍”が馳せ参じる。


katigarasu3.jpg
もうおなかが減ったようだ 「お母さんまだかな〜」
親鳥は頻繁に餌を運んで来るが 雛の食欲は旺盛

未だにオス・メスの判別はつかない。その身なり、立ち振る舞いを明瞭に区別しない夫婦の関係、社会とはどういう物なのだろう。
平等なのか、はたまたメス化の極みなのか?
訊けるものなら訊いてみたい。

これも時効が成立していよう。もっと小さいカチガラスを飼育(と言えば聞こえは良いが)したことがある。

相当高い木に登り、親鳥の威嚇をものともせず巣から採ってきた。
当然一羽に留めた。(と言えば体裁は良いが)
藁で作った“ふこ”に入れて、ウグイスのものよりも少し魚粉を大目にした餌で飼った。
その練り餌を指ですくって口元に持っていくと、赤い喉の奥まで見えるほど大きく口を空けてねだるようになった。

数日後、親父に見つかった。

雛を入れたリュックを背負い、相当高い木に登った。
親鳥は勿論、義勇軍の大歓迎を受けた。


katigarasu4.jpg
おなかが一杯になったら毛づくろい 羽が命

充分な飛翔力が付くまで約一ヶ月。地上や低木の茂みの中で親鳥から餌を貰って成長する雛にとっては、最も危険な時期。


katigarasu2.JPG
こっちの木 あっちの木と伝ってやっと電線にたどり着いた雛

なんとか飛べはするものの、着地(木)が下手で、羽がボロボロ。
でも目つきはしっかりしている。
ここまで育てばもう安心、と思うがそうではないだろう。
雛もそしてそれを養う親鳥にも、明日の保障はない。

「落鳥」 飼鳥家は死なせることをこう呼ぶ。
飛べなくなることは死を意味する。
鳥の、それも小型の鳥の死骸を見る機会は少ない。
それは虎視眈々と彼らを狙う者の多さも教える。



落葉は風を怨まず

命のあり様を言い当てるのは簡単だが





今夜も長らくおつきあい下さり有難うございます




<ゆっつら〜と館 T>



参考資料



志津田藤四郎著 佐賀新聞社刊 「佐賀の方言」上巻・体言編


シリーズ


1.ヤリタナゴ 2.ツチフキ 3.ニゴイ 4.トウヨシノボリ 
5.オオスズメバチ 6.ムクドリ+ことりのさえずり 7.ドバト
8.スジエビ  9.ミツバチ 10.コゲラ 11.メジロ
12.松原川の生き物たち号外-1  閉塞・停滞・混濁
13.大きな水槽が欲しい 14.松原川の生き物たち号外-2
15.アオサギ  16.松原川の生き物たち号外-3 撮影について17.シジュウカラ  18.ツグミ
19.松原川の生き物たち号外-4 撮影機材について
20.カチガラス
posted by スタッフ at 00:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 生き物・環境

2008年04月21日

penta1a.jpg
新機参入?PENTAX K100D

最近不振だった。
1.どうも画像がはっきりしない。
2.度々画像が傾く。

新しい機材を導入した。PENTAX K100Dだ。
写真右の*istDSと外見は殆ど変わらないが2年後に発表されたこれには手振れ防止(カメラのブレ)機構が備わっている。
その効果はシャッター速度2〜3段分はありそうだ。
これでブレた写真は無くなる。はずだ。


penta2a.jpg
画像の傾きへの対策

デジタルプレビューがある。
これにより、撮影記録する前にカメラ背面のモニターでその写り方を確認することができる。

やり方は簡単で、シャッターを押す代わりにシャッターボタンの基部にあるレバーを操作するだけだ。

フィルムカメラ全盛の頃、「ポラパック」というのがあった。
プロはこのポラロイドパックをカメラの背面につけて撮影し、ポラロイド写真で光の回り方、影の出来方を確認してから、ようやくフィルムでの撮影始めるのだった。
ストロボを使用する撮影の際不可欠の作業・儀式でもあった。


penta4a.jpg
いきなり、窓際・老兵待遇・解雇・とはならない*istDS

手前の銀色のリングは、1975年まで作られていたねじ込み式のレンズを現代のカメラでも使用可能にするアダプターだ。

いくつかの制約はあるが、30数年前のレンズが使えるのは面白い。精密度はじめ数値に置き換えられる描写力はどう考えても現代のレンズに敵うはずはないのだが・・・。
デジタルカメラでこのような楽しみ方が出来るのは、おそらくペンタックスだけではないか?
プロは狙って機材を替える、アマチュアは衒って機材を替える。
曰く、「柔らかな描写だ。」・・・輪郭描写が甘いのでは?
「曖昧にこそ、物の存在の本質がある。」・・・へ〜っ!


penta3a.jpg
話せば長くなるシンクロターミナル増設

ひな祭りシリーズをやっていた時だ。施設内の照明が控えられていて充分なシャッター速度が得られず、一脚を付けて撮影を行った。
上手くいった。
手応えを感じながら取材を始めようとノートを取り出す手は、股間の中央まさしくそこに保持していたカメラから離れた!時を許さず・・・
一脚もろともカメラはゆっくり倒れ、激しく硬いフローアに打ち付けられた。AF不能。レンズが回らなくなった。

どうも一時に複数のことを関連付けて、シンクロして行えない。
今時は4〜5万円のパソコンですらマルチタスクと称して全く別の処理を実行しているのに。これでも若い頃、あっちの方は複数の難事を同時に処理していたのだが・・・?昔の話だ。
断りを入れて置くが、Hの方ではない!

このような経緯で*istDSはカメラサービス佐賀に。
受け取りの日、T尻ジュニアから修理内容の説明を受けた後、「T−90にシンクロターミナルを増設したのを雑誌で見た〜。」と話すと、彼はあっさり「これですか!」とそれが付けられたトップカバーを取り出した。わが意を得たりである。

上の写真「S」の横が増設なったシンクロターミナルだ。
T−90のパーツなのでキャップも正しくキャノン製をおごっている。

*istDSは内臓ストロボも装備しているが、GN(ガイドナンバー)は11しかない。大光量が必要な時は外付けストロボを用いなければならない。これまではカメラの天辺にあるホットシューにアダプターなるものをかませてそこからシンクロコードを引いていた。
これでスッキリ解決てなもんである。

それで写真がどう変わるもんではないが・・・。
アマチュアは何かにつけ奇を衒うのだ。
「学問に王道なし」・・・。「趣味に横道あり」か?


penta5a.jpg
換骨奪胎? 横道まっしぐら

カメラの上で大輪を広げているのは、鍋の底に広げて使う蒸し器ではなく、「東芝発光器P−3」である。
青い柱頭のようなものは「東芝閃光電球super3Bcolor classM」。
5個入り230円とパッケージにはある。

「閃光時間13ms」とあるから13/1000秒だ。これ位長く発光してくれると、どうなんだろう?いろんなシャッタースピードにシンクロしそうだが。恐くて、勿体無くて試す勇気が無い。
都市宝山で両方合わせて300円弱で漁ってきたのに。
己が狭量が情けない。
 
編集途中でコメントを頂いたが、仰るとおり。
シンクロターミナルといいこれといい、ニヤニヤが止まらない。

*カメラサービス佐賀のT尻ジュニアは、小型のストロボにこれと同様の反射板を強引にくっつけてニヤニヤしているようだ。

ブログも大いに横道に逸れた。今回は容赦願いたい。
なにしろ、ニヤニヤが止まらないのだ。



<ゆっつら〜と館 T>


シリーズ


1.ヤリタナゴ 2.ツチフキ 3.ニゴイ 4.トウヨシノボリ 
5.オオスズメバチ 6.ムクドリ+ことりのさえずり 7.ドバト
8.スジエビ  9.ミツバチ 10.コゲラ 11.メジロ
12.松原川の生き物たち号外-1  閉塞・停滞・混濁
13.大きな水槽が欲しい 14.松原川の生き物たち号外-2
15.アオサギ  16.松原川の生き物たち号外-3 撮影について17.シジュウカラ  18.ツグミ
19.松原川の生き物たち号外-4 撮影機材について
20.カチガラス
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2008年02月17日

t1.jpg

鶫(ツグミ)は以前紹介した椋鳥(ムクドリ)同様に、秋から春までではあるが、何処にでもいる鳥だ。
佐賀弁で「カッチョ」「カッチュウ」と言えば解って頂けるか?
そうは言うものの、捕ったり食べたりした経験がある僕も、じっくり見るのは初めてに近い。
よく見ると、味わいの深い鳥だ。
メス、幼鳥は成鳥のオスに比べて体色のコントラストが低い。

松原川付近で見ることは滅多にないだろう。
それは、彼らが主に、山麓部・郊外の圃場など見晴らしの良い裸地に棲息しているからと思われる。

「キーッキーッ」、「キョツキョッ」と味気ないが、 シベリア・樺太辺りと言われる繁殖地に帰る4月頃には 「キョロンキョロン」と控えめな囀りを聞くこともある。

DATE  pentax*istDS  SIGMA300mm-5.6 (35mm換算450mm) ISO:400 AV:8 ホワイトバランス:オート  撮影距離:8m

t2.jpg

クロガネモチの実も好物のようだ。
木の実を餌にする鳥を捕獲するワナに「ウッツメ」?というものがあった。少々の紐と枝のたわみを組み合わせて作った。

この鳥が少ない年には、葉がすっかり落ち、若葉と入れ替わるころまで実が残こともある。
同じく赤い実、ピラカンサ・ セイヨウヒイラギの実を食べているのは未だ見たことがない。
これらの木はさほど大きくならない(剪定される)ので警戒心の 強い彼らは寄り付かないのかも知れない。

もし、何らかの理由で飼うことになれば、市販されている「メジロの餌」(植物質と動物質が5対5の割合の餌)に魚粉を加え 4対6位に混合したすり餌(水で練ったもの)をやれば良い。 
「きな粉」に魚粉の代用でも良いかもしれない。

tugumi3.JPG

地上ではミミズ・昆虫などを食べているようだ。
このような場所には、地表を覆っているワラ・草を足で払い、小さな針にミミズを付けた「付け針」を多数仕掛けた。
40年以上も昔のことだ。

DATE  pentax*istDS  SIGMA300mm-5.6 (35mm換算450mm) ISO:200 AV:5.6 ホワイトバランス:オート  撮影距離:15m

<ゆっつら〜と館 T>

シリーズ

1.ヤリタナゴ 2.ツチフキ 3.ニゴイ 4.トウヨシノボリ 
5.オオスズメバチ  6.ムクドリ+ことりのさえずり 7.ドバト
8.スジエビ  9.ミツバチ 10.コゲラ 11.メジロ
12.松原川の生き物たち号外-1  閉塞・停滞・混濁
13.大きな水槽が欲しい 14.松原川の生き物たち号外-2
15.アオサギ  16.松原川の生き物たち号外-3 撮影について17.シジュウカラ 18.ツグミ
19.松原川の生き物たち号外-4 撮影機材について 20.カチガラス
posted by スタッフ at 21:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 生き物・環境

2008年02月09日

北の太鼓橋上流100m程の所に三百記(みほき)橋がある。
現存するのは、平成2年に改造?されたと聞くが、藩祖鍋島直茂の没後300年記念に由来するようである。
佐賀市が発行している 深川保著「佐賀市の川と橋」に若干の記述がある。

前置きが長くなった。50を過ぎた方なら、「DX〜に行く時の橋」と言えばピンとくるだろう。

かの施設は廃業後かなり経つが、未だに裸体画の看板が数枚架かったままだ。周囲の民家も老朽化しており、クスなどの木が陽をさえぎり薄暗い雰囲気もある。

そんな所で、中年過ぎが木の陰に隠れたり、抱きついたり・・・。
無論、鳥から身を隠す為、カメラがブレないようにする為だ!
そうしてやっと、せわしなく動き回る姿を撮った。

階段に腰掛けた初老の男性が、パンを片手にじっと見ていた。

sijyukara2.JPG
クスノキの幹で餌を摂るシジュウカラ 手前に見えるのは ノキシノブ

DATE 
pentax*ist  SIGMA300mm-5.6 (35mm換算450mm) ISO:200
AV:オート ホワイトバランス:オート  撮影距離:10m


sijyukara1.jpg
体の中央を走る帯状の黒が印象的である ピント合わず

DATE 
pentax*ist  SIGMA300mm-5.6 (35mm換算450mm) ISO:200
AV:オート ホワイトバランス:オート  撮影距離:8m

手ブレ・被写体ブレ有り  カメラも腕も換え時か


この鳥をネタに、或るコンペに参加したことがある。
40歳以上の人を対象に行われる、成人病予防検診を促すキャンペーンに関連するものだった。

キーとなるポスターには彼を擬人化したイラストを使った。
黒いネクタイを締め、カバンを下げたその姿は、休む暇無き働き盛りのビジネスマン。
メインコピーは「頑張れ四十から」。


採用されたのは、黒人モデルがジムと思しき所でストレッチを
しているものだった。
何のフックも無い、安易としか思えなかった。
さては、選考陣に「始終カラ」を連想する者がいたか?

翌年は、竹林で一人しゃがみこむスーツ姿の男性を後ろから撮ったデザインを出した。
コピーは「会社でチクリン、家庭でチクリン」
当然の如く連敗した。社保庁関連のコンペだった。

今にして思えば、双方とも相当怪しかった。


シジュウカラ(四十雀)はスズメ程の大きさで尾が少し長めの鳥
金立町・久保泉町・大和町の山麓部に多いが、季節を問わず雨模様の日などに平野部・市街地に下りてくるようだ。

松原川周辺でも、数羽が木の間を巡るように餌を探していたり
アンテナに止まって、ツピーツピー、ジュクジュクなどと鳴いているのを見かけることができる。
枝先にぶら下がり、裏返しになって餌をついばむ姿等は、とてもユーモラスであるが、その瞬間を写し留めたことはない。

佐賀弁で言う 「いっときでん ようしとらん とい」 だ。
訳:一時もじっと(良く・・・大人しく)していない鳥



「頑張れ五十から」で雪辱を考えないでもなかったが、機会はやはり来なかった。
それを自らに投げかける機会はちゃんと来た。

五十雀(ゴジュウカラ)は別種の鳥で、松原川周辺では未だ見たことがない。


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5.オオスズメバチ 6.ムクドリ+ことりのさえずり 7.ドバト 
8.スジエビ  9.ミツバチ 10.コゲラ 11.メジロ 
12.松原川の生き物たち号外-1  閉塞・停滞・混濁
13.大きな水槽が欲しい 14.松原川の生き物たち号外-2
15.アオサギ
16.松原川の生き物たち号外-3 撮影について17.シジュウカラ  18.ツグミ
19.松原川の生き物たち号外-4 撮影機材について
20.カチガラス


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2008年02月01日

tubaki.JPG

先日アップした「松原川の生き物たち」のメジロの画像を見た上司から、自宅にもメジロがやって来るがどうやって撮ればよいかと訊かれた。

大層な言い方をすれば(そん時は思いつかなかったが)
1.暇があること
2.根気があること
3.機材があること。


この三つがあれば何とかなるだろう。
大した事はないんである。

大袈裟な機材が必要だと想われるかも知れないが、庭のミカンにやって来ているのだから、デジカメと傘とレリーズコードがあればいい。

「傘」?このてっぺんのプラスチックのカバーを外すとネジが
出てくる、これとカメラの下にあるメスネジは何故か合うのだ。
(と、思っているが、最近の物もそうかは、確信は無。)
「だから〜。傘ごと木などにくくり付けておけばいいのです。」

どうやってシャッターを押すか。リモコンが付いていれば問題ないが、無ければレリーズコードが必要。
カメラ屋にあるかも知れない。こんなモノです。

後は、ミカンにピントを合わせてメジロを、ひたすら待つ。
もっと綺麗に撮りたいと思うならカメラの取扱説明書を
ひたすら読む。

もっと芸術的に撮りたいと思うなら、雑多と想像される背景を隠し、メジロを“浮かび上がらせる”為に布などを下げる。
布の色によってはメジロが黒っぽく写るかも知れない
その際は、取扱説明書を隅々まで、ひたすら読む。

僕らレベルの撮影など極意などあろうはずは無い。
デジカメなら「数打ゃ当たる」ただ、ひたすらだ。




PHOTO

*3・4コマ目は、少し怪しげ、恐い写真です。
 意識の開放、危機対応の一助となればと想い掲載します。
 年齢・性別・老若を問わず自己責任でご覧下さい。

satuei.JPG
ミサゴ(魚食のタカ)を撮ろうと思い暗いうちに機材をセットした。
明るくなったら、何もいなかった。 
多久の山中にある池の端にて


inosisi.jpg
イノシシを撮ろうと思い明るいうちに機材をセットした。
暗くなって、ようやくイノシシが出てきた。
早いシャッターが切れず、ブレテしまった。  
小城の山中にて


daikonn.JPG
恋人の宝石を日々眺めながら語り伝えよ 愛の神はその宝石に忠実であることを 望んでいると
或る人がガーターベルトの金具に彫らせたという言葉です  
金立山麓にて

mamusi.JPG
時々こんな危ない輩にも出遭います。マムシです。
トグロを巻いていました。

或る元教授が
「今度見つけたら捕まえてくれ」とおっしゃっていたので
頭を棒で押さえ、グローブをした左手で掴み、木切れをくわえさせ  牙をすごき取り、ペットボトルを見つけて入れて、テープで蓋をして、自販機に寄り蓋も買い、底から10cm程まで水を入れた一升瓶に移し替えて、竹で栓をして保管。

或る元教授は数日後受け取りに来られた。
「牙折ったりして傷をつけてはいけない、そこから病気になっては上等のマムシ酒にならん」と教えてくれました。

ガラガラヘビやサイドワインダー等の毒蛇が棲息する地域で、8インチブーツが履かれるのは
彼らがジャンプするように上体をもたげて襲い掛かって来ても、8インチあればまず安全だからだという話を聞いた事がある。
帽子・グローブ・長袖・ブーツがあれば、まず大丈夫か?
いやいや!

「猟場で靴を履く時は、必ず振ってから履け」
「その場所にどんな危険があるか、事前に確かめて置くのが安全の第一歩。そうすれば、徒に恐れ、あらぬ怪我をすることはない」

逝った父の教えだ。


三瀬の山中にて捕獲

<ゆっつら〜と館 T>




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5.オオスズメバチ 6.ムクドリ+ことりのさえずり 7.ドバト 
8.スジエビ  9.ミツバチ 10.コゲラ 11.メジロ 
12.松原川の生き物たち号外-1  閉塞・停滞・混濁
13.大きな水槽が欲しい 14.松原川の生き物たち号外-2
15.アオサギ
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2008年01月29日

aosagi2.jpg
翼を広げると2m近くになるだろう かなり大型の鳥である
首を縮めて飛ぶのでツルとの見分けは容易   
この個体は大体北東に飛び去る 声は「グゥワー」 品は無い
大財橋北の東にある塒(ねぐら)に棲むと想われる


IMGaosagi.jpg
身づくろいをしている
松原神社の東太鼓橋(正式名称ではない)北にある楠の梢で
成鳥は灰色と黒のコントラストが顕著 後頭部の冠羽も見える




東の太鼓橋から派出所に至る辺りで時々見かける。
昨日は、川中に渡された竿石の上から魚を狙っている様子を
対岸から見ることができたが、晴天の日はあまり人を寄せ付けないようだ。

撮影の準備をしていなかったので、捕食の様子を見ることしかできなかった。
この日彼はいい食事ができなかった。主食とする30cm位までの魚はフナ、二ゴイの幼魚など、“いるにはいる” が気温9℃・水温4℃。魚たちも石の下から出てはこない。

コサギ(シラサギというサギはいない)など小型のサギは隠れた魚を追い出す“足技”を持っているが、リーチとパワーを過信してか彼にその技は備わっていない。

体重が1〜2kgの彼の胃袋は今日は空かもしれない。
5〜6月に巣立った雛が翌春を迎えられる確立は50%と聞く。
厳しい世界だ。

父と共に銃を担いで狩猟をしていた1970年代。クリーク・圃場周辺を終日歩いても彼らに出くわすのは稀だった。

警戒心が強く、人を忌避する彼らが生息するのは、山中、あるいは麓にある森に囲まれた大きな池か広大な干潟だった。
それをこんな身近で見ることができる。
安易に生息数の増加と喜んで良いものか。

「DDT・BHC・PCPなどの農薬が使用禁止になり魚族が回復、それを餌にするアオサギが増えた」との見方がある。
であるならば
トキもコウノトリの復活も容易であるはずなのだが・・・。


英名は Grey Heron  灰色のサギを意味する。だのに
どうして「アオサギ」なの?しごく尤も(もっとも)だ。

緯度の違いによって?
リンネ一派が又しくじったか?

浅学を晒すが、「アオ」とは「白でもない黒でもない」色を指したようだ。
「青い体験」「青二才」「青女房」この辺りは未成熟などと解釈して遠からずとも思える。
「白人」⇒「素人」「黒人」⇒「玄人」これらの中間に「青」があるとの類推である。
蛇足で、しかし。
「青々とした緑」「アオガエル」「青」「蒼」「緑」「翠」「碧」に至っては、混乱するしかない。

○○青果で売っている「耐病青首総太り」?

○○青果では病に耐え、首の部分が青い、身が総じて太い品種の大根を売っているのだ。

グリーンとブルーも明瞭ではない。
鳥類でいえば、マガモのオスは首が光沢のある翠に近いグリーンなのに「アオクビ」とも呼ばれる。

言葉・文字には新出の事物を表す説明責任がある。
或る時期、モノと文字のリンクが切れたか?
ミッシングリンクとは違うなぁ!

この辺りの錯綜を解いて下る方がおいでであれば
是非助けて頂きたい。

今夜も駄文におつきあい下さり有難うございます。


<ゆっつら〜と館 T>



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1.ヤリタナゴ 2.ツチフキ 3.ニゴイ 4.トウヨシノボリ 
5.オオスズメバチ 6.ムクドリ+ことりのさえずり 7.ドバト 
8.スジエビ  9.ミツバチ 10.コゲラ 11.メジロ 
12.松原川の生き物たち号外-1  閉塞・停滞・混濁
13.大きな水槽が欲しい 14.松原川の生き物たち号外-2
15.アオサギ 16.松原川の生き物たち号外-3 撮影について
17.シジュウカラ  18.ツグミ
19.松原川の生き物たち号外-4 撮影機材について
20.カチガラス